ベイベー  liner notes

 

 

冒頭の歌詞「面白がっちゃ」という言葉を使いたくて

詩を書き進めた結果、初めて男性目線のストーリーになった。

当初は、全体的に空気感がずっと変わらない曲だったが、

フルートを取り入れたり、コード進行を一部変えたり、

テンポ感の変わるセクションを新たに導入するなどして

流れがドラマチックになり、今作に収録するにふさわしい曲に なった。

サビで突然スケールアウトするコード進行は原案から変わっておらず、

突然視界が明るく開けるような感覚は、当初からそのままにさせてくれている。

Vo 阿部の願いだったフルートパートは、

Chameleon label 田中さんによって‘チープに‘それでいて ‘レトロに’

取り込んでくれていて、音色や質感もころころ変わり、

まるでおもちゃの ような空気感を出してくれている。

ボサノヴァの匂いがするベースラインや、

サビに入ってですらゆったりした流れを崩さないドラムが、

尚のことこの曲の「緩やかな空気」 を作ってくれている。

2 番のサビが終わってからは感情の起伏が激しくセクションごとに雰囲気を変え、

主人公の、ターゲットの女の子になかなか届かない「寂しさ」や「欲 求」を、

演奏面でも表現されている。

 

阿部さとみ