見下ろせばいつも  liners notes

 


Ba 古谷がギターを持ち、Vo 阿部と二人だけでスタジオに入り、

Vo 阿部の「夜に聴く曲にしたい」という案のもと、

2 時間程で大枠まで一気に作り上げたもの。

詩は、あえて文字で空間を埋めたりはせず、

歌詞に使った言葉もかなり簡略化して、情景だけ提示して

あとは聴く人に想像(または創造)してもらうようにした。

情景を想像させるために、奥行き感や雰囲気の演出は試行錯誤が続いた。

重厚感があり幻想的な匂いすらする。

大サビに入るまでのシンバルやタムなどのパーカッションは

後から打ち込んだものであり、大サビに入るまで、

ドラムとベースが入ってこないアレンジは Ba古谷のこだわり。

グランドピアノが持つあったかい音色に合わせ、

高音域でのきらびやかなフレーズなどは避け、

あくまでも「土台」役としてプレイした。

Ba 古谷によるコーラスは Vo 阿部のこだわりであり、

同じ歌詞を男性の声で混ぜることで、

「女性が恋心をひとりよがりに歌う曲」になることを避けた。

後半の間奏を経て、歌と鍵盤だけになる部分の歌はあえて歌い方を変え、

声は揺らさず静寂した空気を大事にした。

アウトロのドラムだけになる空間は、

自然と自分の心と対峙するような時間にさせられる。

 
阿部さとみ